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地球を動き回ってないと落ち着かない日常

愛しきマトリョーシカの世界【ロシア土産】

私はお土産を買わない人間だった、それなのにロシアに行くたびにロシア雑貨や食品を買い込んで帰っている。それは日本でも異国情緒に浸りたい、という気持ちもあるが、家族や友人たちがマトリョーシカの可愛さにハマってしまったからだ。

私が買ったマトリョーシカは家族の手に渡り、そしてそこから友人たちに渡っていくようだ。マトリョーシカ、というとロシア雑貨屋さんで高値で取引されていることもあり、貴重なものなようだ。ロシアに興味を持つ前はそもそも日本にマトリョーシカ雑貨屋さん(実は専門店がかなりある)があるなんて知らなかったし、ロシア雑貨屋さんの存在すら知らなかった。

私は母に連れられ東海地方のいくつかのロシア雑貨屋さんを訪れたり、東京にあるマトリョーシカ屋さんを訪問したりしている。ちなみに以前はマトリョーシカの絵付け体験をしていたらテレビに取材されたこともある。

マトリョーシカは大体数千円から一万円くらいで日本の雑貨屋さんでは売られている。高いな~と思っていたのだが、マトリョーシカにハマるにつれてこの考えは変わった。マトリョーシカは単なる玩具ではなく、マトリョーシカというキャンバスに画家がそれぞれ丁寧に絵画した作品なのだ。ちなみに大きな声では言えないが、日本国内の雑貨屋さんのマトリョーシカの価格は本国の2倍程度なので、頻繁に渡航する私のような人間は別としてロシアに行ったことのない方なら決して高くない価格である。

 

これから今回私がモスクワで出会って買ってきた、愛しきマトリョーシカを御覧に入れたい。

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ベルニサージュ市場

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モスクワの郊外イズマイロヴォ地区に巨大なおみやげ物市場がある。そこはモスクワ近郊からおみやげ物の制作者たちが集まり、直売している市場である。

ロシア中の雑貨屋さんがここでマトリョーシカ等おみやげ物を仕入れていると言われている。マトリョーシカに限らず、白樺細工、ホフロマ製品、軍用品、骨董品、銀行のキャッシュカードまでありとあらゆるものが揃う市場。もちろん観光客にも門戸は開かれていてめっちゃ日本語で話しかけられる。「やすいヨ」「カワイイ」「お値引き!」

ちなみに私は日本語の他、タイ語と中国語とウズベク語で話しかけられた。「出稼ぎでモスクワに来てるんだよね⁉」

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いろんなおみやげ物が屋外に並んでいる。青空マーケットというより冬は寒空市場だ。

この市場の面白いところは、汎用品的な「量産マトリョーシカ」から作家が描いた「作品マトリョーシカ」まで扱われていること。「ここを拘って描いたのよ」と力説される。ちなみにここにきている人達はモスクワやその周辺の作家が多いらしく遠方の方には会わなかった。ウラジーミル、セルギエフポサード、モスクワ州内。

ちなみに値切ることもできるけどそこまで安くはならない。正直ロシアの極東などのお土産物屋さんと比べれば半値とは言わないけれど三分の二程度で買うことができる。

ばらまき土産はここで買うのがおすすめ。

goo.gl

 おみやげ物マトリョーシカ

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これらのマトリョーシカはおみやげ物用のもの。

一般的なマトリョーシカで一個150ルーブル~300ルーブル程度で購入可能。

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作風が素朴なマトリョーシカ。5個。

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写実的なマトリョーシカ。これは3個。ひまわりを持っていたり壺を持っていたり。

安価に買えるマトリョーシカはこんな感じ。最後のマトリョーシカはそうでもないけれど、だいたい絵の描写がおおざっぱ。おみやげ物っぽい感じ。

 

作品マトリョーシカ

この先が作家等が描いたマトリョーシカ。買ったお店ごとに紹介しよう。値段は書かないけれど、だいたいどれも2000ルーブル(2/13現在1ルーブル=1.7円程度)は下らない。

①ターニャさんのお店。このお店は全ロシアから仕入れているそう。

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青の頭巾、水色のベストのマトリョーシカ。バラの花が美しい。

御覧の通り、一つ一つが本当に細かい。ロシアのマトリョーシカはたいていそうなのだがすべて職人さん、作家さんによる手描きのもの。目の向きだったり、顔の表情も一つ一つ違っていてカワイイ。ちなみにマトリョーシカの値段は美しさで変わる模様。「これは綺麗だから高い」んだって!

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赤いプラトーク(頭巾)を被ったマトリョーシカ。赤の広場の逸話に代表される通り、ロシアでは赤は美しいとされている。花を持っているのは最初だけで二体目からは起立の姿勢。色白で日本人好みの一作。

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一つ前と同じような様式のもの。なんとモスクワの名所が描かれている。ワシリー聖堂、クレムリン…素敵すぎて自分用に買ってしまった。土地のものを描きつつおみやげ物っぽさは無い素敵な作品。ちなみにサンクトペテルブルクバージョンもあった。

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貴族っぽい豪華なマトリョーシカ。これは本当に美しい。あんまり宗教のことは知らないのだけれど、ロシア正教会っぽい作品。金の色がしっかり入っていて、金だから高いよと言われた。引き込まれそうな優雅さ。

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これはちょっと小さかったから安かった。表面にはニスが塗ってあっておもちゃのような可愛さ。どれも惚けた顔をしている。

 

②ナターリヤさんのお店

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この人のマトリョーシカは花の世界。優しい顔をしているマトリョーシカの背中は色とりどりの花。家庭的な顔を見せつつも華々しい世界観を一面に押し出していて穏やかな気持ちになれる。

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こちらは鳥を手に抱いているバージョン。二体目は卵。ロシア人は何でか知らないけど鳥が大好き。ホフロマ模様も鳥だらけ。一つ前と世界観は変わらない、素敵。

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初めて見たタイプのマトリョーシカ。なんと両面リバーシブルになっている!

野菜を持っていたりヨールカ(ツリー)を持っていたり、持っているものもロシアっぽい。なによりこの「絵画」の世界観がよすぎていつまでも見ていられる。

 

③イリーナさんのマトリョーシカ。この人はかなり自分の作品の細部まで力説してくれて、最終的にインスタまで交換してしまった。マトリョーシカってのはおみやげ物品なんだけど実は作品なんだって気付かせてくれた。

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野イチゴの籠を持っているマトリョーシカ。二体目には梨も!ロシアの梨っておいしいんですよね。いつもレモネード(炭酸入りジュース)を飲んでしまう。

この人がこだわっているのはロシアの伝統を描くことだそう。お顔も美人さんというよりかロシアのナロード(民衆)ぽいお顔。2体目がベリーをつまんでいるのがユニーク!

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可愛い女の子が描かれることの多いマトリョーシカですがこの作品はなんとオジサンが一面!ロシアの伝統的な姿を描いたのだそう。クヴァスに鮭を持っているおじさん。二体目はキノコにリンゴ。ロシアの昔話の世界みたい~~

 

④名前は忘れたけどおじさんがやってるお店ののマトリョーシカ

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原色煌びやかなマトリョーシカ。金色が入っているところがアピールポイントだそう。カラフルでしっかりニスも塗ってあって高級感のある一品。黒、赤、青のコントラストが非常に良い。これは評価高い。

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パステルカラーが美しいマトリョーシカ。これは本当にきれいで3個にも関わらず、一つ前の5個のと同じ値段だった。マトリョーシカは個数と美しさ、大きさによって値段が変わるんですがこれは値段が高いのも納得の一品。表情や描写の緻密さたるや。

これは本当に作品なのだなあと感じたい一品。作家さんはマトリョーシカというキャンバスに自分の世界を表現している、、、

 

クリスマス仕様マトリョーシカ

マトリョーシカというとこれまでのようなお人形にようなものを想像すると思うのですが実はそれだけではありません。私は今回クリスマスシーズンの年末に訪問したのでクリスマス仕様のものも売っていました。これがまた素敵なんです。

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ヨールカ(クリスマスツリー)マトリョーシカ。ツリーの形をした一体目から、

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ジェットマローシュ(サンタさん)が現れます‼‼‼

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最終的にはツリー、サンタ、雪だるま、ツリーの順。素敵な一品です。

ちなみにロシアではクリスマス前にが街にツリーがところどころ立っています。

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小さいサイズのツリーマトリョーシカ。

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サンタさんマトリョーシカも!家に飾るのにもってこいな良品。

ちなみにロシアのクリスマスは1/7。日本でクリスマスが楽しめなかったあなたも、もう一度楽しみたいあなたもロシアに行けば二回目が楽しめるよ。

 

モスクワのベルニサージュで買ったマトリョーシカはこんな感じ。

年末年始のモスクワはほんとに寒くて、寒さとの戦いでもあったけど素敵なマトリョーシカとも出会えた期間でした。一つ感じたのは星の数ほどあるマトリョーシカの中から自分の好みのマトリョーシカと出会うには足を運んで、自分の目で見て、自分で決めること。長い長い選考を経て購入したのがこの作品たち。

実はマトリョーシカ発祥の地と言われるセルギエフポサードでもいくつか買ってますし、マトリョーシカ以外にも買ってるので反応次第ではまた書こうかな。

おそロシア?なんてとんでもない、ロシアは楽しい場所ですよ!!