世界地図を読みながら

地球を動き回ってないと落ち着かない日常

知っている場所を増やすこと

年末のモスクワにいます。

初めてモスクワを訪れたのは大学二年の夏、それ以来三度目のモスクワです。

今回で7回目の訪ロ。

思えばサハリンや極東ロシアからシベリア、ヨーロッパロシアといろんなところに足を運びました。

高校の頃はロシアの首都の名前さえ知らなかったのにこの変わりよう、、、


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最近友人と話していて感じたことがあります。

それは「知っている場所を増やすことは将来への投資」だということ。

大学に入ってから様々な国を訪れました。数え上げれば35カ国くらい。

日本近隣の台湾や中国から遠くはヨーロッパの国々まで訪れました。

 

もともと、私は外国に興味のある人間ではありませんでした。

もちろん、外国の絵本や童話、映画を見て一度行ってみたいなあと思っていたことはありましたが、

高校卒業するまで日本から出たことがありませんでした。

そして、例によって、日本が素晴らしいのだから外国には行かなくても良いと信じて

18きっぷで鈍行に乗りながら旅をしている人でした。

 

そんな私を変えたのはサハリンとの出会いでした。

かつては日本領樺太でありながら、現在は帰属未定地(ロシアが統治している)という奇妙な日本に行ってみたいと思い、大学一年生の夏に稚内から船で訪れました。

するとどうしたことか、自分の扱えない言葉や日本から50キロしか離れていないにもかかわらず文化や習慣が全く異なっている場所で過ごすのが楽しくて仕方がないと思うようになったのです。

 

それから、LCCのセールの航空券を握りしめて台湾や中国を訪れたりしました。

そして、サハリンに行ったときに話すことのできなかったロシア語を学びたい、と思いモスクワへ1ヶ月間の短期留学にも参加しました。

日本は島国だから閉鎖的のように思われますが、サハリンからはロシア、台湾からは中華圏、朝鮮からは大陸と隣接していて、様々な国に接しています。

私はその中のサハリンからロシアに引き込まれました。

 

そのロシアは広大な国でした。

東は日本や中国と接し、西はヨーロッパの国々、南は中央アジアのイスラム教の国と接しています。

私は学んでいたロシア語を活かして、東欧のウクライナやモルドバ、中央アジアのウズベキスタンを訪れました。

すると、ウクライナで見たオスマン・トルコのお城からはトルコへの興味、モルドバはロシアとは違いパンの文化が強く、ルーマニアや東欧への興味。ウズベキスタンからはイスラム文化への文化とだんだん自分の興味が広がっていきました。

そういうことを繰り返すうちに、様々な世界に興味を持ち、訪れ、また興味を持つという状態になりました。

以前は全く興味がなかったのに、です。

 

そして、一番実感しているのは、自分の訪れた国が身近になること。

何も知らない頃はニュースを聞いていても感じること、考えることは少なかったのですが、

今ではイランでテロが起こった、と聞けばあの美しいペルシャの建物を思い出し、優しくしてくれた人の顔が思い浮かびます。ウズベキスタンの特集がテレビで放映されていると、他人事ながら嬉しくもなります。

自分の中の世界が広がった気になります。

 

そうして旅をしている中で、一番大事にしているのは「知っている場所を増やすこと」

なぜかというと、自分の人生を楽しく生きたいから。

夏にバカンスに行きたいと考えたときに、普通の人は沖縄やハワイが思い浮かぶのかもしれないですが、

私はそれだけでなく、墾丁(台湾)や与論も選択肢に取っておきたい。

絨毯がほしいと思えばイランに飛んだり、スーツケースが欲しかったらドイツに飛んだり、

そういう暮らしがしたい。

これからの人生を生きる中で自分の選択肢を増やしていきたい、と考えているからです。

 

思えば日本国内でもそうでした。私は国内旅行が好きな家族で育ったので多くの場所に連れて行ってもらいました。なので諸国の名産品、名所はそこそこ知っています。

そうすると、熊本と聞けば、天草の海はきれいだろうなと浮かんだり、誉の陣太鼓食べたいなあとか思うようになりますし、ちょっとゆっくりしたいなと旅先を探すときに別府でお風呂に入ってこよう、とすぐに思い浮かんだり。

そうやって自分の世界を広げることは自分のためになるんだということに気付かされました。

 

少し話はそれますが私は訪問国を数えて誇るのはあまり好きではないです。

私が何度も訪れているロシアは東はカムチャツカから西はカリーニングラードまで広大な土地を持っています。その場所一つ一つ同じ場所はないからです。サハリンには日本の建造物があれば、カリーニングラードにはドイツの建造物があります。そうやって同じ国でもまったく異なる背景を持っている場所があるのに、たった一箇所を訪れただけであたかもその国に行った、と捉えるのは違うんじゃないかと思うからです。

もちろん小さい国はたくさんありますしそういう場合は違いますけどね。

日本でもそうです。私の郷里の岐阜県は飛騨地方は日本海型気候の豪雪地帯。美濃地方は平野にあって川の文化が強い場所。だから、行政区分のある一点を訪れたことで満足せずに、いろんな場所を訪問して、知っている世界を広げたいなと思っています。

 

そんなことを考えながら毎日旅をしています。時間がなくて強引な旅程を組んでも、訪れた場所の良いところを一つでも多く見つけて、今度来る自分のための将来に向けての投資だ!と思いながら今日も少ないお金を切り崩しながら旅をしています。