2018年7月にウラジオストクを訪問しました。
その時に様々なことを感じました。
私だけが感じたことなのかもしれませんが、
ロシア語が片言ながら理解することのできる私なりに感じたことを書いていきます。
電子ビザ化で人気急上昇中のウラジオ
2017年に電子ビザが導入され簡略化されたことにより、
日本人観光客も増えているウラジオストク。
わずか二時間のフライトでヨーロッパの街に来られるとあって
急に注目を集めてきました。
極東ロシアはどうなの
今年に入って地球の歩き方PLATの新刊ウラジオストクや
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Maybeなどがウラジオストク特集を組んでいます。
情報量の多いガイドブックも出たことで
日本人にとって行きやすい場所になっていると思います。
旅行記はこちらから
旅先としておすすめできる点としては
・日本から近いこと
東京や大阪から直行便が出ていますし、沖縄に行くよりも近い距離です。
フライト時間も2時間程度と短いですし、時差も2時間と少ない。
・ヨーロッパの街並みを体感できること
本州からは台湾よりも近いにも関わらず、本場のヨーロッパの街に行けます。
勿論、同じロシアのモスクワやサンクトペテルブルクと比べると落ちますが、
東アジアの中ではトップレベルの綺麗さ。
・治安が良いこと
ウラジオストクは全ロシアの治安状況と比べると少し悪いようですがそれでも、明らかに危ない、と感じることはありませんでした。夜でも普通に出歩けます。
個人的にいつも思うのですが、ロシアは治安悪くないです。
・旧ソ連各国の料理を食べられること
ロシアは多民族国家であることや旧ソ連時代からの名残で、旧ソ連構成国のレストランがあります。ウクライナ、ウズベキスタン、グルジア料理など。日本ではマイナーな国でもロシアではメジャー。豊富な料理がそろっていますし、日本人の口にも合います。
・本場のオペラやバレエ、サーカスを体験できること
ウラジオストクではマリインスキー劇場がありますし、ハバロフスクでは7月にはサーカスがやっていました。どれもロシアは本場の国。モスクワまで行かなくても本場の藝術鑑賞ができるのは嬉しい。ちなみにサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館別館ももうすぐ完成予定です。
・あまり身近ではなかった国であること
ロシアや旧ソ連は日本と政治的に対立していることもあり、これまで全く観光旅行先としては選ばれてこなかった国。行ったことのある人が少ないわけですから、話の種にもなりますし、冒険感が強いので海外旅行好きの方には良いのではないでしょうか。
反対に気を付けないといけない点としては
・ロシア語が喋れないと大変なこと
ロシアは近年までアメリカと対立していた国であったこともあり、英語に通用度がかなり低いです。若い人なら話せる人はいますが、それでもわずかです。
数字すらわからない人はたくさんいます。ロシア語の単語を覚えないと大変です。
それでもウラジオストク市街には英語メニューのある店も多く、市街地で過ごす分には不自由を感じないかもしれません。
ちなみに空港のカウンターですら英語が通じなかったりします。
私は片言で話せるので苦労はしないんですが、話せないと旅の自由度が下がってしまうなあといつも感じます。
・日本と習慣が違うこと
日本から近いにもかかわらず、ロシアはヨーロッパ国家であることもあり、習慣が全然違います。例えば、お会計をするときは、店員を呼んで会計をもらい、そのあとにテーブルで支払いをすることや、スーパーでは、商品は自分でレジの台において、次の人との商品の間に板を置いて区別をしてから会計をすること等。上げたらきりがないのですが、日本と文化的近接地である中国や台湾、朝鮮半島とは全く習慣が違います。
日本から近いからと言って、習慣が似ているわけではないのです。
・アジア人観光客が急増していること(特にウラジオ)
ウラジオストクは韓国でも大人気のようで街には韓国人観光客が沢山いました。現在、ウラジオストクからはソウル、釜山、大邱へとLCCを含め週120便程度飛んでいます。
韓国人はロシアにノービザで行けますし。また、中国とは国境を接しているので、中国人も多いです。日本からは週20便弱しか飛んでいないのでフライト数から見ても、数は少ないです。
このような状況では市街地の狭いウラジオストク中心部に多くのアジア人観光客が来ており、せっかくの綺麗なヨーロッパの町並みも歩いている人はアジア人だらけ、ということもあります。また、韓国や中国人は日本人と比べてうるさいですし必ずしも評判が良いわけではないようです。
私は何度も中国・韓国人と勘違いされて塩対応をされました。日本人だと告げると露骨に反応が変わったことは一度や二度ではないです。
ウラジオストクは2017年にも一度訪れていますが、その時と比べても明らかにアジア人の数は多く、いやな応対をされることも増えました。
わずか数日の滞在なのでそうではないのかもしれませんが、私はそう感じました。
私がウラジオ滞在中に感じたこと。
わたしの場合、グムの向かいのドイツ料理店、そして噴水通りの果てのマガジンと日用雑貨店で、おそらくアジア人に対する蔑視の目線を投げられ、会計の際、何ルーブルなのかすら言われず、対応したくないというあからさまな姿勢をぶつけられた。もちろん全員ではない。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
ロシア語でこんにちは、いくらですか?と聞いても答えてすらくれなかった。今思えば買わなければよかった。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
しかしそのお店では韓国人が喚きながら買い物をしていたことも事実。おそらく韓国人にとっては日本でもそうだが連れ立って行動するときはそうやって話すのが普通なんだろう。彼らはロシア語を解さない、そして騒ぐだけ騒いで何も買わずに出ていく。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
韓国人だからというわけではなく、3日程度だけウラジオストクの中心部にいると目につくのは多くの韓国人だった。韓国人に限らず自国語を解さない外国人旅行客があれだけやって来たら、良い思いをする人ばかりでは無いだろうと感じた。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
その一件で、私達は"外国人旅行客"なんだなと思った。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
どれだけロシアに興味があって少し言葉が喋れたとしても。
お国にお邪魔して見物させてもらっている存在なんだ、と。
観光客として色々考えないといけないなと思った。今後訪れる旅行者のためにも。
もちろん私は多少のロシア語を話せるので、英語ではなくロシア語のメニューください!とかロシア語で注文したりすると喜ばれた。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
ウラジオストクは旅行地として狭い上に魅力的な場所は中心部くらいしか無いように思えるのでそこに多くの言語や文化を解さない外国人がビザ緩和に伴って大量にやって来ると疲れてしまうだろうなと思う。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
それは京都や日本各地にも言えることだが。
次にロシアに行くのは多分半年後くらい。でも当分極東には行かない気がする。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
ウラジオストクが注目されているが、ロシア語を全く解さない旅行者が行くとどれほど大変なんだろうか。ほとんど英語は通じないし、買い物の仕方や注文の仕方も異なる。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
そして多くの旅行者の"喋れなくても何とかなった"という意識はどれだけ現地の人に負担をかけているのか。
概して楽しい旅であったことは間違いない。これから訪れる人も同じく楽しい旅であってほしい。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月6日
明日からも振り返りは続けます。#ena極東ロシア旅 pic.twitter.com/vxd9oe2kP1
補足しておきますがこれはウラジオにおいてアジア人に対する扱いが雑なことは何に起因するかという文脈の中です。地理的にアジアでありながらヨーロッパ国家の主権下にある極東ロシアの都市に、文化や言語の異なるアジア人観光客が大量に訪れている問題に対してでした。
— Enamin@シルクロード (@kaisokuena) 2018年7月7日
ウラジオストクは東アジアに位置するヨーロッパ国家ロシア連邦の一都市です。
地理的にみると、中国、朝鮮半島、日本に非常に近く、
近年はビザ緩和をして、近隣諸国から多くの観光客を呼び込んでいます。
しかしながら、いくら近隣に位置してると言っても、ロシア人は東アジア人ではないため、東アジア諸国が有している文化的相似は持っていません。
日本から台湾や朝鮮半島に行くと、国は違えど文化や習慣が似ている、同じだったりします。しかし、ウラジオストクの場合、それが無いのです。
言葉の違えば、習慣も違う。それを理解しない観光客が大量に押し寄せていたら、彼らはどう思うのでしょうか。そしてその観光客が、ロシア語も解さず、理解しようとしない人々であったとしたら。
勿論、観光なので受け入れる側が、英語表記や案内などソフト、ハード面ともに整えるべきなのでしょうが、現状の急激な観光客増加によってまだ追いついていないような気がしました。
私は第二外国語でロシア語を履修しており、幾度となくロシアを訪問して、ロシアのよいところを見てきたつもりです。ロシア語の難しさやロシア人と我々の習慣や考え方の違いを少しずつですが感じてきました。
ウラジオストクでは私がロシア語で、話しかけても、無視をしてきたり、あからさまに嫌そうな対応をする人が少なくなかった。ほかの都市と比べると異常に多かった。
これは、同行していた母も感じていたことでした。
私の周りには何人かロシア語を喋れないまま、ロシアに渡航した人がいました。彼らの内何人かは、「分からないけど何とかなった」と言います。観光する側からしたら、「何とかなった」のかもしれないが、受け入れる側からしたらどうだろうか。苦労が絶えないことなのかもしれない気もします。
今後、日本からロシア文化に興味を持って、ウラジオストクに興味を持って訪問する人が増えると思います。もし、このページを見ていたら、少なくともいくつかのロシア語を携えて渡航してほしい。「ズドラストビーチェ(こんにちは)」「スパシーバ(ありがとう)」「ダスビダーニャ(さよなら)」くらいでもいい。きっと、彼らは笑顔で迎えてくれます。
これはロシアのウラジオストクに対する意見、というよりか、私なりの観光に関する考え。日本に来る観光客には日本の習慣を完全に理解してほしいとまでは言わないが、理解する努力をした上で尊重して行動してほしい、と思う。
また、私も観光に行くときは、少しでもその国のことを知って、滞在している間だけでも言葉を覚えて、お互いに快く滞在したいものだと思った次第です。